2016年11月21日

【大麻取締法違反】高樹沙耶容疑者の逮捕と日本の共感覚者・共感覚研究者界隈

 石垣島で男性らと大麻パーティー村を築いていた元女優の高樹沙耶容疑者が逮捕されて以来、色々な学識者や謎の薬物評論家たちがコメントを述べているが、日本の共感覚者・共感覚研究者界隈でも賛否両論あるようである。むしろ、共感覚者・共感覚研究者の間では、高樹沙耶容疑者の思想に賛同する立場は結構多く、元より大麻合法化を主張する人も少なくない。

 そうなると当然、それは「大麻合法化論者である共感覚者」なのではなく、「大麻によって得た共感覚を、生得的にまたは自力で得た共感覚と詐称または誤解して、大学・医療などの研究に研究者・医者・被験者として潜り込んでいる人物」である可能性が出てくるので、その研究自体が疑わしくなるし、まじめな共感覚者たちからすれば迷惑な話である。

 共感覚をまじめに「科学」しようと思うなら、日本の薬物関連犯罪の現状に鑑みて、自ら共感覚者を主張する被験者に薬物検査を実施し、非薬物性の共感覚と薬物性の共感覚とを分けて研究しなければどうしようもないにもかかわらず、目の前の被験者を最初から非薬物性の共感覚者だと見なしている点に、私などは非科学性を感じてしまう。今回も、高樹沙耶容疑者の表向きの政治的主張は「医療大麻の普及」であり、大麻パーティー村の表向きの姿は「医療大麻の普及のための研究施設」であった。

 私は、日本の共感覚界隈や薬物・幻覚研究界隈のこういう態度が摩訶不思議というか、嫌悪感を覚えるところであるので、今後とも様子見をしながら批判的に関わっていくことになるだろう。

 私は、ほぼ個人活動で(日本共感覚研究会として数名の方にご協力いただきながら)、下記のような資料を作成・公開している。もちろん、違法薬物の使用を検討している日本人への情報提供が目的ではなく、日本の違法薬物蔓延の現状に警鐘を鳴らすためである。私としては、「現代日本は現代日本の薬物観や植物学観、法学観で動くべきで、普通に薬物を摂取して薬物共感覚パーティーや幻覚実験を楽しんだり、共感覚論文を量産したりしているオランダやアメリカの一部の州の価値観に追随する必要はない」という考えを提示し、高樹沙耶容疑者のような人物が日本の共感覚者・共感覚研究者から出ないように願っている。

 日本人であれば、例えば「茶道それ自体が、心身の薬でもあり、共感覚的大宇宙である」という哲学論文でも書いて世界に提示すればよいというのが、私の考えであることに変わりはない。

「麻薬・覚醒剤・危険ドラッグ・指定薬物等による共感覚の出現の知見の有無と当該薬物の国際条約及び世界各国・日本国の法令等における扱いとの対応表」
http://iwasakijunichi.net/jssg/hokokusho/hokokusho4.pdf

 大麻に関して言えば、現在はオランダ、ウルグアイ、バングラデシュの全土で合法であり、アメリカはワシントン州、コロラド州など西部地域で合法の傾向にある。最も規制が緩いのがオランダで、他の合法国・地域ではマフィアなどの裏社会やスラム街の治安悪化などが絡んでいるのに対して、オランダでは一般白人の男女やLGBTの人々が普通に使用している。大麻が世界的に合法化されつつあるのは、多くの場合、麻薬犯罪組織などがどんどん裏社会へと隠れないようにするための措置なのであるが、オランダは(その価値観の善し悪しは横に置くとして)もはやそういう国ではなくなっている。

 オランダは、大麻や売春、それらを伴う限定的なパーティーの開催(いずれも合法)についての根本的な考えが、その是非は別にして、日本や東洋とは異なっているわけであって、高樹沙耶容疑者のように、多くの日本人の価値観とは異なるオランダ的主張を日本の国会議員選挙でされても、日本人の価値観がそちらに流れるはずはないのであった。

 オランダでは、例えば、運転免許講習や女性警官採用試験、料理人資格や家政婦採用などにあたり、「試験官(男性)側が受験女性に対して、講習料・試験料免除の代わりに買春を持ちかけ、女性が了承すること」は双方が合法であるが、「女性側から試験官に対して、売春するから講習料・試験料を免除するよう持ちかけ、試験官が了承すること」は双方が違法である。

 こういった価値観は、少なくないオランダ国民の意見であるのみならず、政府・国会・裁判所が表明している公式の見解でもある。日本人の私には意味不明であるが、すでにいくつかの技能講習については、法案が通り、「一部の公的資格の教官による受講者・受験者に対する買春の提案および買春実行の主導による講習料の完全免除」がオランダでは合法化されている。
(買春を主導せず、売春の形に誘導した場合はアウト。)

 オランダ政府の公式見解に忠実に書くと、「運転免許講習など技能の教授を主目的とする教習所や専門学校などの技能教授者(男性とする)に対し受講者(女性とする)側が負担すべき受講料について、金銭の代わりに性的活動(女性の身体の提供)によってその支払いとすることが、男女共に合法であるためには、女性の身体の提供を技能教授者である男性が主導的に提案し、持ちかけた場合に限る。受講者の女性がこれを持ちかけた場合にこれが違法であることは、論を待たない。女性が技能教授者で男性が受講者であるならば、当然女性がこれ(性的活動による受講料の免除)を持ちかけた場合のみ、合法である。」だそうである。

 今やゲルマン系オランダ白人にとって、家族や友人やLGBTどうしで大麻パーティーを楽しむことも、自由と平等と高い人権意識の表れだそうだが、一方で死刑には断固反対の立場が多く(死刑は廃止済み)、死刑存置論者が8割を占める日本の状況や、日本の殺人事件の被害者遺族が犯人に極刑を求める感情については、キリスト教的絶対悪と区別がつかないようである。

 このような価値観を持ったオランダや一部のアメリカの州の研究者・被験者が実施した薬物共感覚実験や薬物幻覚実験(大麻セックス実験など)が、日本の学術界の中でのそれと比較対照できるわけがない(そもそもそのような研究・実験は日本では法的に不可能である)のは、自明である。

 それにしても、ゲートウェイドラッグ(他の強力な薬物への入口)としての大麻に手を出している日本人が集まりやすい怪しい場の一つとして、今や共感覚の世界は挙げざるを得ないと言える。彼らは、オランダ、ウルグアイ、バングラデシュ、一部のアメリカの州の若者が味わっている「薬物共感覚」をどうして日本では合法的に味わえないのか、という不満な本心を、いかにも正当で綺麗な「医療大麻」や「共感覚研究」などの語に置き換え、隠そうとしているわけで、そういった人物や団体はこの世界ではそこかしこに散見される。ここから先、様々な麻薬、覚醒剤、危険ドラッグ、指定薬物へと手を出していくおそれがあるわけである。

 私は、日本の研究者は日本の研究者らしい共感覚研究や薬物・植物学研究を確立すべきだと考えるが、高い確率でそうはならないだろう。

↓ 日本共感覚研究会のその他の報告書はこちら
http://iwasakijunichi.net/jssg/hokokusho.html
posted by 岩崎純一 at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 最新の話題

2011年06月27日

建築家が「共感覚」の語を使用

 建築家の佐川旭氏という方が、フリーマガジン「R25」(No.287、2011年6月16日発行)の中で、下記の通り「共感覚」に言及されている。

フリーマガジン「R25」
http://r25.yahoo.co.jp/


(引用始め)

「子どもの教育では、知識よりも心を育むことが重要です。心根の大切な要素である知欲・意欲・情の3つをバランスよく育てることで、素直で人の話をしっかりと聞く、感性豊かな子どもに育ちます。けれど、現代は家族の関係も希薄になり、情が失われがち。生活のなかで子どもの情を育てる家選び・家作りが重要なんです」

「大脳生理学でいう“共感覚”のようなものが重要だと私は考えています。これは3つの刺激を複数の感覚で捉えるもので、たとえば“高い金属音に冷たさを感じる”ようなことを指します。“子供の情を育む家選び”でも、この“複数の感覚”という点が重要で、“3つの記憶を複数の五感に刻みこめる”家なら、家族の思い出が記憶に刻まれ、時間が経っても温かな感情を思い起こしやすいでしょう。これが深い“情”を育むわけです」

(引用終わり)


 何よりも知識を優先して動かざるを得ない職業であると思える建築家が、「子どもの教育では、知識よりも心を育むことが重要」であると述べている点は、同じ境遇にあったはずの数学者の岡潔が子どもの「情緒」を「知識」よりも重視すべきだと唱えた点に似ている。

 私は、岡潔の思想や主張を「共感覚」的な哲学・思想として敬愛しているが、この建築家も「大脳生理学でいう“共感覚”のようなものが重要だ」として、「知識」以前の「心」や「情」に「共感覚」を見ているあたりが、非常に鋭い視点だと思える。

 私も仕事の中で建築家や芸術評論家に接することがあるが、このような視点を持っている文化人・学識者に出会う機会は極めて少なくなっていると感じている。数学や建築といった学問・芸術に「心」や「情」を取り入れることに挑戦し続けている文化人・学識者の数が少なくなっていることも理由にあるだろうが、学校教育や社会教育、テレビなどのマスメディアの場であまり取り上げられないこともあるのだろう。
タグ:共感覚
posted by 岩崎純一 at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 最新の話題

2011年06月26日

警察犬による一卵性双生児の嗅ぎ分け

 チェコの動物行動学者らが科学誌プロスワンに発表したところによると、優れた警察犬は、遺伝情報が同一である一卵性双生児であっても、細菌や寄生虫感染などの要因で生じた両者のにおいの違いを嗅ぎ分けられると言える有意の実験結果が得られたとのこと。

 私としては、共感覚の観点から関心を持っている。

●警察犬、双子もかぎ分け…細菌・寄生虫で区別?
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110625-OYT1T00424.htm?from=navr

●Dogs Discriminate Identical Twins
http://www.plosone.org/article/info:doi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0020704
posted by 岩崎純一 at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 最新の話題